セーブポイント、前年比7パーセント減
減少の一途をたどる憩いの場

 市民の集まる憩いの広場は、休日であるにも閑散としている。
 去年までは、ここにはセーブポイントが設置されていた。
 そのセーブポイントも今や撤去され、片隅には台座のみが残っている。

 M市では、近年、セーブポイント数の減少が問題となっている。
「もうしょうがないですよね、セーブポイントの運営には維持費がかかる。セーブとなれば料金も取りにくいですし、利用率の取れないところから廃止になってます」
 一世代前のセーブポイントの老朽化が進み、自治体は古いセーブポイントの保持で手いっぱいだ。
 M市の職員、Sさんは、日に日にかさむセーブの運営費に頭を悩ませている。
「戦いですよね、利益は出ない、公共事業です。危険な場所から近いところにあるセーブがどれだけありがたいか」

 オートセーブなどの利用に押されて、旧来のセーブポイントは、都市の一部などを除いてほぼすべてのポイントで利用率が減少している。
 また、セーブに対する意識の変化にも注目すべきだ。「あなたは普段どこでセーブをしますか?(選択式、一番多いものを解答)」という設問には、「ベッド」や「野外で済ませる」と回答した若者が66.7%だった。
 かつて常識的だった「セーブポイント」の存在が、いまや主流の座を奪われつつあるのだ。

 セーブポイントに悩まされるのは市民だけではない。魔王軍からも厳しい現状を嘆く声が聞こえる。
「ボス戦前のセーブも今やぜいたくです。こちらからは、なるべく戦闘の前に準備がないか呼びかけて、メニューを開いてもらって、アイテムやアビリティを確認してもらって、セーブ、という形にしています。レベル上げなどしたいところがあると思いますし、正直どうかと思うんですけど、それでもやっぱりそういう形にせざるを得ない」
 セーブポイントの減少が社会にもたらすものはなんだろうか。このまま、セーブという文化が失われていいのだろうか。
「もっと気軽に死にやすい社会を」――RPG中ボス連盟は、これからも強く危機を訴えていく姿勢だ。
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