小話『お山の賢者さま』

よくぞここまで来た、人の子よ。
ここは世界の果て、私は永く生きすぎた賢者。この世界の全てを知るもの。
お前が望むのならば、一つだけ呪文を授けてやろう。

おい、今なんてった?聞き違えか?アスピル?もう一度聞くぞ、全ての呪文を教えてやろう。どんな呪文でも構わぬ。
ティルトウェイトでもメテオでも、なんならリザイアとか、シャイニングとか、リザレクションとか……クイックタイムとか……失われた古代の叡智、それが私の……アスピルだというのか?
なんだ?それでどうするんだ?なにがしたいんだ?MPを吸うのか?吸ってどうする?最大MPが心もとない?いやいや、落ち着いてくれ。待ってくれ。その心もとない最大MPをアスピルで満たしておまえはどうするんだ?お前はなにをするんだ?お前の中のなにが満たされるんだ?
ああ、確かにエーテルは貴重だな。それはわかる。いいか、ワンポイントアドバイスだ。MPは宿屋で寝たりすることなどで容易に回復する。馬小屋でもいい。

いや、出来ないってわけじゃない。可能だ。待ってくれ、しかし……わかった、お前は私に遠慮しているのか?違う?そうではない?いや、待て、動転しているんだろう。私にはわかる。お前は今、正気ではない。疲れているんだろう。ここまで来るのに大分かかったろうからな。……なに、別に今すぐ決めろってわけでもない。嘘ではない。なんでも授けてやる。私がなんでもと言ったらなんでもだ。嘘じゃない。なんでもだ。

わかった。日を改めよう。3日ほど考える時間をやろう。やかましい。お前の決意が固かろうとなんだろうと今日は店じまいだ。どうしてもというなら3日後だ。今日のところは帰れ。そして落ち着いて考えてみろ。いいな。



3日ぶりだな。さて、よくぞここまで来た。考えたか?
なんだって? もう一度言ってみろ?ああ? ……マホトラ?
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