カバーリングがロマンスの温床、社会問題に
ソルジャー連盟、声明を発表

 ここのところ、パラディンのカバーリングが深刻な社会問題になっている。パラディンのカバーリングによって発生する”キュン”とした感情は、回復をかけたときのおよそ10倍にあたるという研究もある。

「もはや勘違いでは済まされなくなってきた」
 そう苦悩の表情を浮かべるのは、冒険者歴30年のAさん。長きにわたって前衛を務めてきた歴戦のソルジャーだ。
 そんなAさんは、パラディンのカバーリングのたびに複雑な気持ちを抱えてきたのだという。
 Aさんの同僚のBさんもまた、ベテランのパラディン。普段、大雑把で豪快なAさんと几帳面なBさんは衝突することも多い。しかし、いざバトルとなるとその関係は一変する。
「それも、見当違いのものだったら文句の一つも言えますよ。でも、パーティーの局面をよく観察して、危ない、ってところでカバーリングしてくるんです。断る理由もないでしょう。自分だけ意識していて馬鹿みたいです」
 そうこぼしたAさんの表情には、なんとも複雑なものがある。
「その結果、庇った本人の方が戦闘不能になることもあります。もう庇うのは止めて欲しい」
 Bさんと出会うまでの冒険者生活というものは、非常に殺伐としたものだった。今思えば、それが心地よかったともAさんは述べている。合理的な判断が出来ないことを理由に、Aさんは、冒険者としての引退も視野に入れ始めたという。

「なにもメディックまでカバーリングするなとまでは言いません。しかし、前衛を庇う必要は果たしてあるのか。ごついばかりのパラディンにどきりとさせられる我々の気持ちも考えて欲しい」
 ソルジャー連盟会長のレノラス氏(45)は、先月、「パラディンは前衛に対してのカバーリングを自粛するべきである」という声明を発表した。「自分の身は自分で守れる」とレノラス氏は豪語する。
この声明に対して、聖騎士協会は「そうは言われても、我々は自分のジョブを全うしているだけであって、別にそれを負担に思う必要はない」とコメントしている。「そういうところがまた腹立たしい」とレノラス氏は頬を染めた。
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